製品情報

ポンプ

ET型セラミックポンプ

ET型セラミックポンプは、あらゆるケミカルプロセスの心臓部に使用される世界が信頼するプロセスポンプです。
ET型セラミックポンプは、NGK(日本ガイシ)がケミカルプロセス用に開発した高強度·高耐食·高耐摩耗セラミックスが接液部に使用されています。
その設計においても国際規格(ISO 2858)·JIS規格に準拠。
さらにメンテナンスコストおよびランニングコストの低減などのユーザーニーズにお応えする独自技術が随所に取り入れられており、あらゆるケミカルプロセスの心臓部で威力を発揮する高耐食性ポンプです。
NGK(日本ガイシ)は、1931年に磁器ポンプ第1号を世に送り出し、今、ここに大容量、高揚程までフルラインアップしたET型セラミックポンプをお届けいたします。

特徴

1.耐食性

ケーシング·インペラ等の接液部はNGKが誇る化学工業用セラミックスを採用しており、ほとんどすべての酸·有機溶剤に対し、最高の耐食性を有しております。
さらに、樹脂では避けられない薬液の浸透による腐食や、チタン等の耐食金属に見られる電食の危険性はありません。
ただし、アルカリ類、フッ化水素酸、およびフッ素化合物にはご使用いただけません。

2.耐圧、耐熱性

ポンプ構造体としてのセラミックスの強度·耐熱性は万全ですが、さらにセラミックスの外側を鋳鉄製アーマーにてカバーしており、極めて堅固な構造となっています。
また、セラミックスですから熱変形もなく、長期間にわたり最高の性能を維持します。

耐熱温度 :- 10~120℃
·液性状により耐熱温度は異なります。
·- 10℃以下、120℃以上でご使用の場合はお問合せください。

3.耐摩耗性

ET型セラミックポンプに採用されている高強度セラミックスは、高い耐摩耗性を有していますので、スラリーの混入した薬液に対しても優れた耐久性を発揮します。
より耐摩耗性に優れた部分安定化ジルコニア(PSZ)製インペラーでの対応も可能です。詳細はお問い合わせください。

化学用工業用セラミックスの物性
単位 化学工業用
セラミック
従来磁器
色調
見掛比重 2.50 2.30
曲げ強さ (無釉) MPa 122 93
(施釉) 137 103
圧縮強さ MPa 588 490

注、テストビースによる代表値を示します

タフネスとは衝撃荷重下における破壊強度とクラックの伝播に対する抵抗性を示す値です。ひらたくいえば「われにくさ」の一つの目安といえます。

4.操作性

汎用ポンプでは一般的な国際規格(ISO2858)·JIS規格に準拠しており、プラント設計が容易になるばかりでなく小型化されています。
さらにバックプルアウト構造により、配管を取り外すことなく部品交換·整備が行なえメンテナンスが容易です。

5.互換性

国際規格に準拠した NGKポンプは部品の互換性が十分に発揮されており、EB型PFAポンプとも部品の共通化が図られています。

6.ポンプ性能

高強度セラミック製インペラにより達成した優れたポンプ効率はランニングコストを低減します。

7.軸封信頼性

耐食·耐摩耗ポンプ分野に於ける豊かな経験を基に各種の軸封装置を用意しております。
長期にわたり、リークレス·トラブルフリーを確保し、メンテナンスコストを低減します。

EK型ポンプ(SiCセラミックポンプ)

EK型セラミックポンプは、常圧焼結された厚肉の炭化珪素(SiC)を接液部に採用。
ほとんどパーフェクトな耐食性を発揮する高耐食ポンプです。

特徴

1.優れた耐食性

高温塩酸、高温希硫酸、弗酸など、従来送液が困難であった薬液にも使用できます。
また移送液へのセラミック成分の溶出が極めて少なく、コンタミが防止できます。

2.優れた耐浸透性

高密に焼結されたバルクSiCであるため、有機系酸性液、有機塩素系液などの、高浸透液に対しても液の浸透が無く、安定運転が可能です。

3.優れた耐熱·耐熱衝撃性

SiCの高い熱伝導特性と強度により、最高温度160℃、および100℃までの熱温度差(当社従来比1.4倍)の液に使用できます。
このためポンプ前段での移送液の予備加熱、予備冷却が不要となり、マルチパーパスプラント等の液移送に適しています。

4.優れた耐久性

インペラーの羽根部とスリーブ部は、Oリングなどの弾性体を使用しない一体構造であるため、Oリング交換の必要が無く、耐久性、メンテナンス性が格段に向上しました。
軸封部は,実績のあるET型セラミックポンプ(Mフレーム機種:軸径Φ50)の全ての形式のメカニカルシールが装着可能です。

SiCの特性

EK型ポンプのSiCは、常圧焼結したα型であり、一般産業用セラミックスの中では、ダイヤモンドに次ぐ硬質材料です。
特に耐食性、耐浸透性、耐熱衝撃性が他材料に比較し優れています。

区分 特性項目 SiC アルミナ98% 高アルミナ質
セラミック
テフロン®PFA ニッケル・モリブデン系合金
物理特性
(常温時)
密度 Kg/㎥ 3,100 3,600 2,500 2,140 8,900
曲げ強さ MPa 480 310 90 27(引張) 820(引張)
弾性係数 GPa 410 290 82 0.80 210
熱膨張係数 x10-6/℃ 4.2 6.8 6.0 150 10.8
硬度(Hv) GPa 27.5 15.4 13.0 - 2.0
材料の耐食性 20% 塩酸 使用可能温度(℃) 180 130 90 90 80
60% 硫酸 使用可能温度(℃) 180 130 110 140 100
25% 苛性ソーダ 使用可能温度(℃) 150 80 N/A 140 100
50% 弗酸 使用可能温度(℃) 100 N/A N/A 80 N/A
ポンプに適用した場合の特性
◎:特に優れている
〇:優れている
△:限定期間使用可能
×:使用不可
耐摩耗性 -
耐薬液浸透性 -
耐熱衝撃性 -

本表データ及び特性比較は、各材料の代表値を示すものであって、規格値ではありません。

耐食データは、当社でのビーカーテストの結果によるものであり、ポンプに適用した場合の使用可能温度はその都度の判定となります。

EZ型ポンプ(セラミックマグネットポンプ)

EZ型マグネットポンプは、接液部がファインセラミックス製。
NGK が世界で初めて完成させた高耐食無漏洩ポンプです。
(ISO2858ポンプ規格に準拠)

特徴

1.優れたシール性

軸封部のない遠心ポンプのため、外洩れが許容できない液の移送に最適です。

2.優れた耐食性

接液部はセラミックス製のため、ほとんどの薬液に対し抜群の耐食性があります。
また、液の浸透がなく、有機溶剤に対しても変形しない安定な構造です。

3.優れた性能

キャン、ロータカバーなどの重要部品は部分安定化ジルコニア(PSZ)を採用しており、最高温度120℃まで使用できます。
また、セラミックス製キャンの採用により、回転磁界による渦電流発熱損失がなく、効率が7~10%向上しました。(対金属製キャン比)

【PSZの物性】
セラミックス 試験圧力(MPaG)
PSZ 窒化珪素 炭化珪素 アルミナ(95%) S45C SS41
製造方法 常圧焼結 常圧焼結 常圧焼結 常圧焼結 - -
密度(g/㎠) 5.9 3.2 3.1 3.6 7.8 7.9
4点曲げ強度
(常温kgf/mm²)
104 90 51 32 >58(引張) >41(引張)
弾性率
(×104kg/mm²)
2.1 2.3 3.1 3.0 2.1 2.1
破壊靭性K2c
(MN/m3/2)
8.5 7.0 2.4 3.8 80-100 80-100
熱膨張係数
(×10-6/℃)
10.5 3.3 4.3 6.8 11.2 12.0
熱伝導率
(cal/sec・cm・℃)
0.007 0.07 0.04 0.04 0.12 0.12

4.優れたスラリー性

セラミックスの高い硬度と、独自の軸受部フラッシング構造により、スラリー液の移送も可能です。

EB型PFAポンプ

EB型PFAポンプは、あらゆる薬液を確実に送液するオールマイティな耐食ポンプです。
EB型PFAポンプは、NGK(日本ガイシ)の耐食分野における豊かな経験と最先端の樹脂モールド技術により、開発製品化されました。
その接液部には、樹脂の中で最高の耐食性を有するPFA(パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)をライニング。
設計も国際規格(ISO 2858)·JIS規格に準拠。
さらにランニングコスト、メンテナンスコスト低減に独自技術が随所に取り入れられています。
9機種そろったEB型PFAポンプは、あらゆるケミカルプロセスにおいて高い信頼性、耐久性、容易な取扱いなどのニーズにお応えする高耐食ポンプです。

特徴

1.耐食性

他の弗素樹脂との耐薬品性の比較
樹脂 PFA PTFE PVDF ETFE
最高使用温度 230℃ 230℃ 135℃ 150℃
薬液
アルカリ
溶剤 △極性溶剤不可

◎優れている 〇良好 △使用上注意を要する

上記の数値は保証値ではありません。

2.耐久性

接液部のPFAライナーと金属アーマーは機械的に結合されていますので、ライナーの剝離、ストレスクラッキングに対し万全です。

3.耐圧・耐熱性

FCD-S(ダクタイル鋳鉄造品)アーマーに厚いPFAライナーが機械的に結合されていますので、安全に運転ができます

耐熱温度 :- 10~150℃
·液性状により耐熱温度は異なります。
·ー10℃以下でご使用の場合はお問い合わせください。

4.操作性

国際規格(ISO2858)·JIS規格に準拠しており、プラント設計が容易になるばかりでなく小型化されています。
さらにバックプルアウト構造により、配管を取り外すことなく部品交換·整備が行なえ、メンテナンスが容易です。

5.互換性

国際規格に準拠したNGK ポンプは部品の互換性が十分に発揮されており、ET型セラミックポンプとも一部部品の共通化が図られています。

6.ポンプ性能

良好なポンプ効率によりランニングコストを低減します。
またISO規格に準拠したポンプ仕様により、最大流量5m3/min·最大揚程90mまでの広い範囲で合理的な機種の選定ができます。

7.軸封信頼性

耐食ポンプ分野における豊かな経験を基に、各種の軸封装置を用意しております。
長期にわたり、リークレス·トラブルフリーを確保し、メンテナンスコストを低減します。

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NGKケミテックは、日本ガイシのグループ企業(NGKグループ)の一員です。